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着物の種類で変わる!自宅での着物の保管方法について

着物はお手入れが行き届いた状態で保存すると、50年以上長持ちすると言われています。一番良いのは桐たんすでの保存ですが、高価で場所も取るためハードルが高いのも現実です。今回は、自宅での着物の保管方法や、桐たんすの代用となる便利なアイテムについてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
着物を保管する前にやっておくこと
着物を脱いだ後は、着物ハンガーに吊るして全体をチェックしましょう。きれいに見えていても汗やほこり、小さな汚れなどが付いていることもあります。汚れがあればクリーニングへ出さなければなりません。
汚れが見当たらない場合は、吊るしたままの状態で着物全体を柔らかい布を使い、上から下へ布目に沿ってほこりを払います。衿山、衿下、袂(たもと)、袖口、裾まわしは念入りに行ってください。
着物ハンガーで吊るし、汗や湿気を取り除く時間は、半日から一晩ぐらいが目安です。必ず日陰で干してください。一晩以上吊るしておくと着物の形が崩れてしまうこともあるため、干しっぱなしは厳禁です。
次に「タトウ紙」の上に着物を広げ、袖口、すそ、縫い目などをもう一度点検した後、折り目正しくたたんでいきます。
着物の種類によって保管方法は変わる
ウールの着物と正絹(シルク)の振袖、木綿の浴衣、ポリエステルの着物を同じたんすやクローゼットにまとめて保管している人もいるかもしれません。
ウールも絹も同じ動物性繊維ですが、ウールはヒメマルカツオブシムシの大好物なので、ウールの着物はとりわけ虫食いの被害に遭いやすいのが特徴。正絹も繊維が細く、虫が食べやすいことから、まとめて保管していると、他の着物にも被害が及んでしまうことがあります。着物は素材ごとに保管場所を分けるのが理想的です。
着物と洋服をクローゼットに収納している方もいるかもしれませんが、着物をウールのコートやセーターと一緒に保管するのも良くありません。着物は素材ごとにプラスチックの収納ケースに入れて保管しましょう。
収納ケースに入れる場合、ぎゅうぎゅうに詰めて保管すると、湿気が発生して虫が大好きな環境を作ってしまうため、詰め過ぎないようにしてください。
自宅で着物を保管する際に便利なアイテム
自宅で着物を保管する際に、便利なアイテムとして収納ケースと収納袋があります。
まず覚えておいていただきたいのは、着物は畳んで平らにして収納するのが大切だという点。収納ケースは、着物を畳み「タトウ紙」に入れた状態で、平らに収納できるサイズを選ぶのがポイントです。
最近ではクローゼットの下段に入れる、桐製の収納ボックスも販売されています。本格的な桐ダンスと比べると、価格もリーズナブルで防湿効果も高いのが特徴です。
プラスチックの収納ケースは安価で手に入りやすいのですが、湿気をためやすく、防虫対策もやや不安な面があります。防虫剤を頻繁に取り替えるなどの対応が必要になります。
もっと手軽に着物を収納したい方は、着物専用の収納袋を使ってみませんか。除湿シートが付いた着物専用の保存袋で、着物、長襦袢、帯をそれぞれタトウ紙に包み、袋に入れるだけです。
今回のまとめ
着物はお手入れと保存次第で長持ちします。着物をしまうとき、畳んで平らにして保管するのがポイントです。虫食いの被害を防止する意味でも、着物は素材ごとに分けて収納してください。桐製の収納ボックスや、防湿シート付きの収納袋も便利です。ご自宅に合った保管方法で、大切な着物を長持ちさせることをおすすめします。
【参考URL】
https://www.kimono-tuji.com/storage/
https://araiba.net/column/kimono_azukari/kimono-syuunou.html
虫食いと繊維に関するもの
https://mushuda.st-c.co.jp/gaichuzukan.html