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これだけおさえておけば大丈夫!着物の部位・名称の基本

最近では、成人式や卒業式に結婚式の参列等の特別なイベント以外でも、お茶やお出かけ用に気軽に着物や袴を着るという方が増えています。ただし、まだまだ着物にはハードルを高く感じている方も多いのではないでしょうか。まだ手を出せない、着る勇気がないという方の中には着物の各部分の名称の読み方や聞きなれない言葉が多いからとお考えの方も少なくありません。
ここでは、着物の部位や名称の基本をご紹介します。これだけおさえておけば大丈夫という知識をお伝えしますので、ぜひ着物に親しみを感じてみてはいかがでしょうか。
身丈・身巾・裄・袖・襟の役割と基本
まず、着物を選ぶ時に知っておきたい、身丈・身巾・裄・袖・襟についてご紹介します。
身丈(みたけ)とは、着物の長さのこと。身丈は自分の身長の±5cm以内なら普通に着られる可能性が高くなります。例えば、身丈が160cmの着物は身長155cm~165cmの方に適している、といった具合です。身丈は着付けの際に「おはしょり」としてある程度調整することもできます。
身巾(みはば)は、「身幅」と表記されることもある、着物を広げた状態の「おくみ幅+前幅+後ろ幅」を足した長さのことです。胴体で一番太い腰回りを測って身巾を決めるのが一般的ですが、ウエストや太ももが太い方はそちらの寸法をもとに身巾を決めましょう。腰回りで測った場合、ヒップサイズ+3~4cmが目安です。身巾はサイズが合わないとはだけやすかったり、ぶかぶかになりやすかったりするため、自分のサイズに合ったものを選んでください。
裄(ゆき)は、首の後ろの付け根から肩(背中側)を通って手首までの長さのことです。
袖(そで)は、着物を着た状態で腕を通している部分のこと。成人式や結婚式でも着られる袖の長い振袖は、江戸時代の初期から未婚女性が着ていました。袖の振り方で男性からの求愛に返事をしていたと言われています。
襟(えり)は、帯の上でクロスした部分です。一般的に襟は左が上に来るように右側の見頃から先に体に合わせます。右が上に来る着方は「左前」と呼ばれ、亡くなった人に着付ける着方ですので、間違えないよう注意してください。
着物の前と後ろの名称
着物の後ろを後ろ身頃(うしろみごろ)と呼び、肩の最も高い部分(肩山)から後ろ側の裾までの部分を指します。肩幅や裄を測る時は後ろ身頃からサイズを測るのが一般的です。
身丈、袖、襟は着物前側の名称。身幅は前から見た前身幅、おくみ幅、後ろから見た後身幅を足した幅のことです。
着物は着る前と着た後で部位の名称が変わる
着物のサイズを測る時は着る前の名称を覚えておくのがおすすめですが、着用後に着物の柄を出したり小物と合わせたりする際には、着用時の名称も覚えておくのが望ましいでしょう。
着用時に新しく出てくる名称として、袖山(袖の最も高い部分)、袂(袖の下半分の部分)、衣紋(後ろ襟の部分)、振り(袖付けの下の開いている部分)などが挙げられます。
着物は着る前後で部位の名称が変わるため、それぞれを覚えておくと着用時にあわてずに済みます。
今回のまとめ
着物の部位や名称については、日常的にあまり聞くことがないため、知らない方も多いのではないでしょうか。しかし、一度覚えてしまえば自分に合ったサイズの着物を選ぶことができます。着物を選ぶ際に着用時に柄がどこにくるかなどがわかるため、着物や着付けを一層楽しむことができるでしょう。ぜひ今回ご紹介した内容を参考にしていただき、気に入った着物が合った場合にイメージを膨らませてみてはいかがでしょうか。
【参考URL】
https://www.kyozome.info/iroha_parts.php